人的補償は廃止されるはずなのに、森下暢仁投手がFA移籍したら選手を渡さなければいけないの?
2026年11月4日、広島東洋カープの森下暢仁投手が国内FA権の行使を表明しました。
巨人、ソフトバンク、DeNAなど複数球団による獲得調査が報じられるなか、注目したいのが2026年10月30日に決まったFA補償制度の大幅な見直しです。
人的補償を廃止し、ドラフト指名権や金銭で補償する新制度への移行が決まりました。
そこで疑問になるのが、2026年オフにFA権を行使した森下投手にも新制度が適用されるのかという点でしょう。
結論からいうと、2026年オフは人的補償制度が残っており、森下投手が国内の他球団に移籍した場合、広島は人的補償を求めることができます。
ただし、広島が必ず選手を獲得するわけではありません。
金銭のみの補償を選ぶこともでき、森下投手が広島に残留すれば、他球団からの補償そのものが発生しません。
この記事では、2026年と2027年のルールの違い、森下投手の推定Aランク、人的補償の仕組みを整理します。
※2026年11月4日時点のNPB公示、日本プロ野球選手会の発表、報道をもとにしています。
森下暢仁のFAで人的補償は必要?2026年はまだ廃止されない
まず、今回の疑問に対する答えを整理します。
2026年10月30日、NPBと日本プロ野球選手会はFA移籍に伴う補償制度の見直しで合意しました。
今回の変更で重要なのは、すべての選手の人的補償が2026年オフから一斉に廃止されるわけではないということです。
2026年オフから補償不要となるのは、FA権行使の翌年4月1日時点で35歳以上となる選手です。
森下投手は1997年8月25日生まれ。2027年4月1日時点でも29歳なので、この条件には該当しません。
また、森下投手の2026年の年俸は推定2億円。報道では補償対象となるAランクとみられています。
したがって、森下投手が2026年オフに別のNPB球団へFA移籍した場合、従来の補償制度が適用される見込みです。
ただし、FA宣言をしただけで人的補償が発生するわけではない点には注意が必要です。
FA人的補償はいつ廃止?2026年と2027年の新ルールの違い
では、今回の制度変更で何が変わるのでしょうか。
変更点は、大きく分けて二つあります。
一つは、2026年オフからの35歳以上の選手に対する補償免除。
もう一つが、2027年オフからの人的補償制度そのものの廃止です。
2026年オフは35歳以上の選手が補償不要に
2026年からは、FA権行使の翌年4月1日に35歳以上となる選手について、年俸ランクに関係なく、人的補償と金銭補償が不要になります。
これまでAランクやBランクの選手がFA移籍すると、獲得球団は旧所属球団への補償を求められる仕組みでした。
しかし、今回の変更によって、一定年齢以上のベテラン選手が移籍しやすくなることが期待されています。
一方で、29歳の森下投手は年齢による免除を受けられません。
人的補償廃止というニュースだけを見ると誤解しやすいですが、森下投手のFAには2026年のルールが適用されます。
2027年オフからはドラフト指名権か金銭による補償へ
2027年と2028年のオフは、人的補償に代わってドラフト指名権または金銭を用いる新制度が導入されます。
報道で明らかになった新制度の概要は次のとおりです。
| 項目 | 2026年オフ | 2027・28年オフ |
|---|---|---|
| 人的補償 | 制度が残る | 廃止 |
| 35歳以上 | 補償不要 | 補償不要 |
| Aランク | 人的+金銭か金銭のみ | 原則2巡目指名権か金銭 |
| Bランク | 人的+金銭か金銭のみ | 順位に応じて3巡目指名権か金銭など |
| Cランク | 補償不要 | 補償不要 |
2027年以降のAランク選手は、元の球団がドラフト2巡目の指名権か金銭による補償を選ぶ仕組みになる予定です。
Bランクについては年俸順位による扱いの違いがあり、2027年からはBランクの範囲自体も変更されます。
なお、新制度は2029年シーズンオフに改めて見直す方針です。
つまり、2026年は人的補償が残る最後のオフになる見通しです。

2026年オフと2027年オフではFA人的補償の取り扱いが異なる。2026年は35歳以上の補償免除が先行して導入される。
森下暢仁はAランク?推定年俸2億円なら人的補償はいくら?
森下暢仁投手のFAを考えるうえで重要なのが、年俸ランクです。
FAの補償は、選手の知名度や通算勝利数だけで決まるわけではありません。
基本的には、旧所属球団内の日本人選手の年俸順位によってA・B・Cのランクに分類されます。
2026年オフの補償ランクは次のようになっています。
| ランク | 年俸順位 | 補償 |
|---|---|---|
| Aランク | 上位1〜3位 | あり |
| Bランク | 4〜10位 | あり |
| Cランク | 11位以下 | なし |
森下投手の2026年の推定年俸は2億円。
スポーツ報知などは、森下投手をAランクとみられる選手として報じています。
ただし、各選手の契約年俸と正式な補償ランクがすべて一般公開されているわけではありません。
そのため、この記事では「推定Aランク」として扱います。
Aランクなら選手1人と金銭、または金銭のみ
2026年オフの従来制度では、Aランク選手を獲得した場合、旧所属球団は主に二つの方法から補償を選べます。
仮に森下投手の補償基準となる年俸が2億円であれば、次のように試算できます。
方法①:人的補償を選んだ場合
2億円×50%=1億円。
広島は対象選手1人と、金銭1億円の補償を受ける計算になります。
方法②:金銭補償のみを選んだ場合
2億円×80%=1億6,000万円。
この場合、選手の移籍は発生せず、広島が金銭補償のみを受けることになります。
ただし、これらは推定年俸を用いた制度上の単純計算であり、森下投手について実際の補償額が決定したわけではありません。
さらに、広島残留ならどちらの補償も発生しません。

森下投手を推定Aランク、補償基準年俸2億円と仮定した場合の補償額の比較。実際の金額ではない。
森下暢仁が巨人やソフトバンクに移籍したら誰が人的補償になる?
ここで気になるのが、人的補償の対象選手です。
森下投手については巨人、ソフトバンク、DeNAなどが獲得調査を進めていると報じられています。
ただし、11月4日時点では森下投手の移籍先は決まっていません。
では、仮に他球団への移籍が成立した場合、どのような仕組みで人的補償が決まるのでしょうか。
プロテクト28人から外れた選手が対象になる
2026年オフの人的補償制度では、FA選手を獲得した球団が、対象から守りたい選手28人を指定します。
これが一般に「プロテクト28人」と呼ばれる制度です。
旧所属球団は、原則としてプロテクトされていない対象選手の中から、補償として獲得する選手を選ぶことができます。
外国人選手など、もともと人的補償の対象から除外される選手もいます。
つまり、FA選手を獲得した球団は、主力や有望選手を28人の枠で守る必要があります。
一方、元の球団は、プロテクトされなかった選手の中に補強したい人材がいるかを検討することになります。
広島は投手と野手のどちらを選ぶ?
ここからは独自考察です。
もし森下投手が移籍した場合、広島は先発ローテーションを支えてきた右腕を失うことになります。
そのため、人的補償を選ぶなら投手の補強を重視する、という考え方は十分にあり得るでしょう。
一方、プロテクト外に将来性の高い野手が残っていれば、投手以外を選ぶ可能性も考えられます。
また、人的補償を使わず金銭補償を選び、その資金を別の補強や選手育成に活用するという選択もあります。
ただし、実際のプロテクトリストはまだ存在せず、広島が希望する補償選手も発表されていません。
この段階で特定の選手を「人的補償候補」と断定することはできません。
森下暢仁はFA宣言後も広島に残留できる?
今回のFA表明で、もう一つ誤解しやすいのが「FA宣言=広島退団」という考え方です。
森下投手は11月4日、国内FA権の行使を表明し、球団に申請書類を提出しました。
しかし、現時点で広島を退団することが決まったわけではありません。
広島は宣言後の残留を認めており、森下投手は他球団の評価を聞いたうえで、自身の進路を決めることができます。
本人も残留と移籍のどちらを選ぶか、まだ決め切れていないと説明しています。
出典:日刊スポーツ・11月4日の森下暢仁FA表明と本人コメント
移籍しなければ広島への補償はない
人的補償は、対象となるFA選手が国内の別球団へ移籍する場合の制度です。
森下投手が宣言後に広島残留を選べば、移籍先の球団が存在しないため、人的補償や金銭補償は発生しません。
また、他球団による獲得調査が報じられていても、実際に契約が成立するかどうかは別の問題です。
なぜ森下投手はFA権を行使した?
報道された本人の説明では、他球団からどのような評価を受けているのかを知りたいという考えが示されています。
また、広島でプレーした7年間への感謝も語っています。
つまり、今回の宣言を単純に「カープを出たいから」と決めつけるのは適切ではありません。
本人は、複数の選択肢を比較しながら進路を決める段階にあります。
将来的なメジャーリーグ挑戦への思いも語っていますが、今回の国内FA宣言によって海外移籍が決まったわけではありません。
今後注目すべきなのは、森下投手がどの球団と契約するかだけでなく、そこで初めて2026年の人的補償制度が具体的にどう適用されるかという点です。
森下暢仁のFA人的補償に関する疑問
2026年に人的補償が廃止されたのでは?
いいえ。2026年オフは、FA権行使翌年の4月1日時点で35歳以上の選手に対する補償免除が先に導入されました。
全体的な人的補償制度の廃止は2027年オフからです。
森下暢仁はなぜ補償免除にならない?
森下投手は29歳で、2027年4月1日時点でも35歳未満だからです。
また、推定Aランクと報じられているため、国内FA移籍が成立すれば補償対象になる見込みです。
森下暢仁が移籍したら必ず人的補償が発生する?
必ずしもそうではありません。
旧所属球団の広島は、人的補償と金銭を組み合わせる方法か、金銭だけの方法を選ぶことができます。
2027年からは人的補償で選手が移籍しなくなる?
2027年と2028年のオフについては、人的補償を廃止する方針が決まっています。
代わりに、年俸ランクなどに応じてドラフト指名権または金銭による補償を行います。
2029年以降の制度は、導入後の運用状況を踏まえて再検討されます。
まとめ|森下暢仁のFAは2026年の人的補償制度が適用される
2026年11月4日、広島東洋カープの森下暢仁投手が国内FA権を行使しました。
FA制度の見直しが決まった直後ということもあり、人的補償の有無は気になるポイントです。
今回の制度改正は、FA移籍によって所属球団を失う選手の補償方法を大きく変えるものです。
しかし、新制度は段階的に導入されるため、2026年に権利を行使した森下投手には従来の人的補償が関係します。
森下投手は広島に残るのか。それとも新天地を選ぶのか。
そして移籍が決まった場合、広島は人的補償を求めるのか、金銭補償を選ぶのか。
2026年のFA市場では、森下投手の去就とともに、人的補償制度の最後の運用にも注目が集まりそうです。
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参考情報・出典
※本記事は2026年11月4日時点で確認できた内容です。年俸ランクや補償額は報道をもとにした推定であり、実際の補償内容が決定したことを意味しません。



