
当初は品川⇒名古屋間を2027年に、その後名古屋⇒大阪間を2045年に開通予定でした。
しかし、JR東海は目指してきた2027年の開業を断念すると明らかにしています。
なぜ静岡県は着工を認めなかったのでしょうか。
静岡県では、南アルプスの地下でトンネルを掘り、山の表面から最大で1400メートルもの深さの場所で掘り進められる工事が計画されています。

静岡県はこの工事に対し、3つの懸念を示し、着工を認めていません。
- 静岡県の水問題
- 南アルプスの生態系への悪影響
- 工事で発生する残土
この記事では、以上の3つの懸念を詳しく見ていきます。
リニア中央新幹線 計画概要
※東京―大阪間 | |
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路線距離 | 438キロメートル |
所要時間 | 67分 |
建設費 | 9兆300億円 |
開業予定 | 2045年 |
静岡県が着工を認めない理由①~静岡県の水問題~
リニアのトンネルは、南アルプスの地下深くで、大井川の源流の下を貫くように計画されています。

流域の62万人の暮らしを支えており、地元では「命の水」と呼ばれています。
地中には大井川の水源となる大量の地下水が溜まっており、何も対策をとらなかった場合は工事によってトンネル内に大量の地下水(毎秒約2トン)が湧き出すことになります。
これについてJR東海は、水を通すための導水路をつくり、トンネル内に湧き出た地下水を集めて大井川に戻す対策をとり、水量を維持する計画を示しています。
その計画の対策、技術で、出た水を全量戻すことが実現可能かについて、静岡県とJR東海の間で長い年月議論されています。
静岡県が着工を認めない理由➁~南アルプスの生態系への悪影響~
JR東海は南アルプスのトンネルを掘って削ることにより、トンネル付近の地下水が300メートル以上低下すると解析しています。
南アルプスには絶滅の恐れがある植物や魚がたくさん生息しています。

南アルプス独特の生物系への悪影響を静岡県は訴えています。
JR東海は、こうした悪影響の回避などの方法を検討しており、回避できない場合は植物や動物を別の場所に移して保護するとしています。
なかなかの時間と労力をかけないと難しいことですね。
静岡県が着工を認めない理由③~工事で発生する残土~
トンネル工事では370万㎥(東京ドーム3個分)もの残土が発生するそうです。
最大の残土置き場となる燕沢(つばくろさわ)付近では、
18ヘクタールの面積に65メートルの高さで盛り土する計画です。(駿府城公園の広さに16階建ての県庁東館の高さ)

静岡県は18ヘクタールの土地の改変によって生態系への影響や、盛り土をしたことによる安全性、そして自然由来の重金属などを含む発生土による水質への影響について、懸念を抱いています。
燕沢周辺map
静岡県が着工を認めない理由まとめ
上記の理由で静岡県はリニア新幹線の着工に首を縦に振らないようです。
静岡県側からしたら、駅ができるわけでもないのでマイナスでしかないですもんね。
この問題をJR東海が解決し、静岡県を納得させるまでどれくらいかかるのでしょうか。
リニア中央新幹線開業は、前途多難のようです。
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