「うちの会社は、トップがいないと何も回らない」
「特定のエース社員が辞めたら、業務が止まってしまう」
そんな「属人化」や「チームの脆さ」に悩んでいませんか?
実は、戦国時代にも同じ課題に立ち向かい、最強の解決策を出したリーダーがいます。
戦国最強の軍団を率いた、武田信玄です。
彼は、当時の常識を覆す、ある「経営判断」をしていました。
それは、自分の本拠地に巨大な「城」を築かなかったことです。
その代わりに彼が最も大切にしたのが、徹底した「人材育成」と「組織作り」でした。
「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」
あまりにも有名なこの言葉。
ここには、現代ビジネスでも即戦力となる「最強組織の作り方」が隠されています。

「ハード」ではなく「ソフト」に投資せよ
戦国大名にとって、立派な城を築くことは常識でした。
それは権威の象徴であり、最大の防御だからです。
しかし、信玄はあえて「館(躑躅ヶ崎館)」に住み続け、城を造るための予算やリソースをすべて「人」に注ぎ込みました。
ビジネスに置き換えてみましょう。
立派なオフィスや最新のシステム(ハード)を整える前にやるべきことがある。
それは、現場で戦う社員の教育やエンゲージメント(ソフト)に全力を注ぐことです。
文化はコピーできない
システムや設備は、お金さえ出せば競合他社でもコピーできます。
しかし、磨き上げられた「人の繋がり」や「阿吽の呼吸(チームワーク)」は、絶対に真似できません。
信玄は、誰にも奪われない「最強の資産=人」を作り上げることに集中したのです。
※ 「人が城」の概念を現代経営で学ぶなら、Googleの研究でも明らかになった「心理的安全性」の重要性を説く『恐れのない組織』や、最強チームの文化作りを描いた『THE CULTURE CODE』がおすすめです。
「適材適所」を超える「多面評価」
武田軍には「武田二十四将」と呼ばれる個性豊かなリーダーたちがいました。
- 猛進するだけの猪武者
- 頭はいいが喧嘩は弱い参謀
- 地味な事務作業が得意な実務家
信玄は、彼らの「欠点」を見ることはしませんでした。
その「一芸(強み)」を最大化させる配置を行ったのです。
凸と凹を組み合わせるパズル
信玄流のチームビルディングには、明確なルールがあります。
- 短所を矯正せず、長所を組み合わせてパズルを完成させる
- 失敗を許容し、それを組織全体の「ナレッジ」として共有する
- 上意下達ではなく「衆議(合議制)」で当事者意識を持たせる
トップダウンで命令するのではなく、部下に考えさせる。
だからこそ、信玄がいなくても現場が自律的に動く「強い組織」が生まれたのです。

「情け」は最高の福利厚生である
「人は城……」の歌には続きがあります。
「情けは味方、仇は敵なり」
この後半部分こそが、実は最も重要でシビアな教訓です。
部下を大切にすれば強力な味方になるが、冷遇すれば最強の敵となって牙を剥く。
信玄は、これを骨の髄まで理解していました。
- 戦死した家臣の家族を生涯保護する
- 負傷した兵のケアを怠らない
- 温泉(隠し湯)で兵士を癒やす
「この人のためなら命をかけられる」
この「心理的安全性」こそが、武田軍を最強たらしめた正体です。
現代のマネジメントにおいても同じです。
部下の人生そのものに敬意を払う姿勢が、結果として離職率を下げ、生産性を最大化させます。
※信玄の戦略のベースにあるのは『孫子の兵法』です。風林火山もここから来ています。ビジネス戦略の原点にして頂点。現代語訳版を一冊持っておくと、迷った時の指針になります。
まとめ:リーダーの役割は「石垣の隙間」を埋めること
石垣は、大きな石だけでは崩れてしまいます。
大きな石の間に、小さな石(小石)を絶妙に配置することで、何百年も耐えうる強固な壁となります。
リーダーの仕事は、自分が「一番大きな石」になって威張ることではありません。
多様な個性(石)を組み合わせ、その隙間を「信頼」という砂で埋めていくことです。
あなたが今、チームを率いる立場にあるなら。
あるいは、これから組織を作ろうとしているなら。
まずは「城(オフィスやシステム)」を建てる手を止め、目の前の「人」という石垣に目を向けてみてください。
武田信玄が証明した通り。
最強の組織とは、物理的な壁ではなく、心で繋がった集団のことなのです。
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